初心

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IMG_0957この夏に読んだ(出会った?)『疲れない体をつくる「和」の身体作法』という本の中に、こんな文章がありました。

以下引用

初心の「初」という漢字は、衣編と刀からできています。

「衣を刀(鋏)で裁つ」、それが「初」という漢字のもとの意味です。すなわち「初」とは、まっさらな生地である布に、はじめて刀(鋏)を入れることを示す漢字なのです。

〜中略〜

何かを始めるときには、ドキドキ楽しい気持ちとともに、「うまくいかなかったらどうしよう」、「失敗したら笑われる」、あるいは「何が起こるかわからない」という不安や恐怖心もあります。その怖さに、新たな世界に足を踏み入れるのを逡巡してしまいます。そんなとき、不安や怖さを抱えながらも、まっさらな布に鋏を入れるように、新たな世界に「えいっ」と飛び込む、そんな勇気ある気持ちが「初心」です。

現在「初心忘るべからず」は、それを始めたときの初々しい気持ちを忘れてはいけない、という意味で使われています。しかし世阿弥は「時々の初心」という言葉を使いました。その時々に初心があるというのです。何かを始めたときの最初の気持ちだけではなく、折あるごとに、古い自分を裁ち切って、新たな自分として生まれ変わる「初心」が要求されます。

以上引用

初心とはなんと潔い言葉なんだろう!まさに目からうろこが落ちるような衝撃でした。

折々に訪れる初心を取り戻すチャンスに、古い自分自分をバッサリ裁ち切ってえいっと挑戦してみる。とても怖いけど、後悔のない人生には欠かせないことではないでしょうか。

初心が必要なことは、小さい事も含めればちょいちょい訪れるものだと思います。

怖がらないで、大胆に、初々しくをテーマに、新しい気持ちで9月がスタートです。

もう一冊 

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DSC_0570こころを読んだ感想を書いてみたら、読んだ本のことを書き留めておくのは楽しい、ということに気がついてしまいました。

勢いづいて、もう一冊、感想文を書いてみます。(感想ではないか。。。)

宮部みゆきさんの『地下街の雨』を読みました。

短編が7作入っている本ですが、全部、不思議な不思議なお話でした。中には少し背筋が寒くなるような話もありますが、どれも面白いです。

本の裏表紙に載っているあらすじを引用します。

同僚との挙式が直前で破談になり、逃げるように会社を辞めた麻子。ビジネス街の喫茶店で働きはじめた彼女に<あの女>が近づいてきた本当の理由は‥。

なになに???と興味を惹かれませんか?

これから読みたいと思う方がいらっしゃるかもしれないので、あらすじは書きませんが、地下街の雨、というキーワードがなんだかとても良いのです。

地下街にいると天気がわからない。濡れた傘を持っている人をみて、雨が降っているんだなと知る。自分の頭上に雨が降っているなんて想像もしなかったのに、雨が降っていた。

自分が想像しているように物事が進んでいると思っていたらそうではなかった。日々、体験することです。

人生、思った通りにいかないのが当たり前だけど、それを「地下街の雨」という言葉にすると、なんだか捉え方が変わる気がします。

大人になってからの読書感想文

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DSC_0113夏目漱石のこころを読みました。

中学生だったか高校生だったか忘れてしまいましたが、学生の頃に読んだことがありました。多分、読書感想文を書かなくてはいけない、などの理由で読んだのではなかったかなと思います。義務で読まされた本だけあって、さっぱり内容が思い出せません!はてどんなストーリーだったかな?と手に取ってみたら鎌倉の海の場面から始まっていたので、興味がわいて買ってきました。

感想は、、、

中学生や高校生のわたしにこの本の内容が理解できていたのだろうか?

です。

もちろん、文章を読むことは出来たでしょうが、この本の中に出てくる「先生」と「私」の身の上に起こったことや、心に抱えた悩みや傷を感じることが出来たのかどうか疑問です。きっと、浅〜い感想文を書いたのだろうと思います。

大人になって、それなりにいろいろな挫折や失敗を体験した今になって読んでみると、この本は面白くて仕方がありませんでした。

「先生」って何をしている人なの?この人柄の暗さは何かやらかしちゃったからなの?奥さんは幸せなの?「私」はどうしてそんなに先生に興味があるの?そんなに他人のご家庭に入り込んでしまって、迷惑ではないの?お父様の具合は大丈夫?お父様の病名は結局何なの?お金は大丈夫?就職はできるの?etc.読んでいる間、次から次へと心配になって、続きが気になって気になって!!そして、解るわかる、そうだよね、えっそんな意地悪しちゃうの?!、それは相手が傷つくでしょうよ、と感情移入してあっと言う間に読み終わりました。

やりきれないラストですが、「先生」というひとりの人間の人生をそれなりに一緒に全うして、どこか清々しい後味が残りました。

青年期特有の友人同士の情や駆け引き、恋の始まる直前のあの感じ、若くなくなった時期に味わう後悔ややりきれなさ、きっと誰もが感じることを率直な言葉で教えてくれる気がしました。

どんな時代でも人のこころは変わりないのですね。

うなぎ

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幼稚園も音楽教室も夏休みに入りました。

しばらく週3回の仏子通いがなくなります。寝坊の心配と、電車が止まってしまって仕事に遅れてしまう心配が少し減ります。東海道線、京浜東北線、湘南新宿ラインは本当によく止まるので困ります。

そんな心配が減るだけでも開放的な気持ちになります。

7月21日は土用の丑の日でした。少し遅くなったけど、我が家でも鰻を食べました。

美味しかった〜!夏バテしないでこの夏も乗り切りたいものです。

これからの一ヶ月の自分への宿題を決めました。生徒さんたちに負けないように、わたしも上達しないといけないのです。練習しないと絶対に上手くなりません。そのかわり、正しく練習すれば、年齢に関係なく、必ず上手くなります。諦めないで、自分で自分の限界を決めないで頑張りましょう!!練習は自分を裏切りませんよ〜

梅雨明け

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IMG_0476一昨日(7/9)梅雨が明けて、本当の夏になりました!

朝起きて外を見ると、青い空にのびのびとした緑の木々が目に飛び込んできます。うわ〜今日も暑いな、と確信して一日が始まります。

この季節は楽器にとっても辛い季節です。

ケースを閉めっぱなしにしてしまうと、中が熱くなってしまいます。弾いても弾かなくても、ケースを開けて、楽器の健康チェックをしましょう。

練習する時は、室内の湿度はもちろんですが、手や首などから出る汗をよく拭き取って、楽器に余分な湿度を残さないようにしましょう。今年はエアコンの使用を控え気味にしている方が多いと思うので、特に気をつけたいことですね。

人にも楽器にも過酷な季節です。労りながら、乗り切りましょう!

健康の大切さ

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DSC_1544梅雨らしい毎日が続いています。

5月の終わりから体調を崩してしまい、レッスンをお休みさせていただくことになってしまい、生徒さんや職場の方にたくさん迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい。

健康管理も仕事のうち、と普段から気をつけてはいたのですが、病気になる時はなるものですね。。。思うようにならないもどかしさを感じる毎日です。

でも、病気をすることで得られることもありました。

自分の生活や体と向き合うきっかけが出来たり、家族の有り難さを感じたり、健康のありがたさを実感したり。時間がたくさんあったので、いろいろなことをゆっくり考えることが出来たのも収穫でした。

お休みします、と電話やメールで連絡させていただくと、こちらが迷惑をかけているのに、心配してくださったり、温かいメッセージを送ってくださったり、本当に優しく許してくださって、感謝感謝です。だいぶ元気になってきたので、試験や発表会にむけて、精一杯お手伝いさせていただきます。ありがとうございました。

あらためて健康の大切さを実感したので、日々の暮らし方に注意しながら、元気に過ごしたいと思います。

停電

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地震があった3月11日、5時間の停電を生まれて初めて経験しました。

それから何度か計画停電による停電を体験しました。

昼間の停電ではそれほど困ることはありませんが、暗くなってからの停電は不自由です。外も真っ暗になってしまうので、何も見えなくなります。そこで、ろうそくを使うことになりました。

台所へも、お手洗いへも、洗面所へも持ち手の付いたろうそくを持って動きます。テレビもパソコンも使えないので、ろうそくの灯りで本を読んだり、書き物をしたりして時間を過ごします。どんどん寒くなるので、湯たんぽを抱いて、毛布を腰に巻いて、、、そして3時間ほど経つと、突然、一気に電気が付きます。電気の便利さを実感する瞬間です。

被災地ではもっともっと寒さと不自由さに苦労をされているんだな、と考えざるを得ません。夏にも大規模な計画停電が行われるそうですが、自分にも出来る最大の節電が停電だと思うので、協力していきたいと思います。

今年のわたしたち夫婦の結婚記念日(3/20)のプレゼントは、大きなろうそくになりました。

3月

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DSC_06523月、早くも後半です。この間クリスマスだったのになあ、、、なんて思ってしまいます。

3月といえば年度末。卒業や新学年にむけての準備が始まります。

勤めている幼稚園、音楽教室でも、この一年間の集大成となる行事がありました。幼稚園では音楽会が、音楽教室内ではコンサートと銘打った試験がありました。

幼稚園の音楽会は、それぞれのクラスが、一年間の成長の成果を歌や合奏や劇などで発表します。年長のふたつのクラスが、ヴァイオリンの発表もしました。一年間だけのお付き合いの園児たちの最後の姿だと思うと、毎回、ホッとしつつも寂しい気がします。こちらは、とにかくみんなで楽しく一緒に演奏できれば良いので気持ちが楽なのですが、音楽教室の試験の方はそうはいきません!

試験は、それぞれの努力の結果が見事に表れます。(良くも悪くも、、、)

単なる発表会ではなく試験なので、競争もあり、尋常ではない緊張感の中で演奏をすることになります。小さい子どもにそんなことが必要なのだろうか?とお考えになる方もいらっしゃいます。確かに楽しく楽しく、どんな演奏をしようがおかまいなしで、拍手をもらってお花をもらって、、、という発表会も良いと思います。でも少し厳しい環境の中で、自分の外面も内面もさらけ出さなくてはいけない環境から得られる自信は、人生の財産になると思います。ただし、逆に、挫折感を味わう体験になってしまうこともあるため、教える側はそんなことにならないように必死になります。生徒さんはそれぞれ違う人間なので、マニュアルはありませんし、予測不可能な事態が起こります。順調に進んできたのに、ある時に変なクセを突然つけてきたり、暗譜が出来なくて負のスパイラルに入ったり、、、。ど〜したの〜!?と叫びたくなるようなことがあるのです。それを微調整しながら、やる気を失わない程度に叱咤激励して。。。先生恐いって思ってるだろうな、と思いながら。。。

いつも本番を聴きながら思うのです。今の演奏は2〜3ヶ月前の実力だな、と。昨日出来たから、今日の試験でも出来るわけではないのです。頭で理解して体にしみ込むまでには、時間がかかるのです。つまり、直前のお尻に火がついてからの練習ではなく、なんでもない毎日のコツコツ努力が大事なのです。地道にしてきたボウイングの練習、音階、練習曲、それらが集大成して本番に演奏できるのですね。

でも、どんな演奏であれ、終わった後は健闘を称えます。大勢の人の前で演奏できたことが、まずはそれだけで素晴らしいことなのですから!

音楽を勉強して、人の前に立って自分のことを発表する体験をしてきた人にとって、消しゴムで何度でも消して書き直せる試験はなんと有り難いことか!!中学や高校、大学の受験に挑もうとしている生徒さんたちには、きっと、この緊張の体験が生かされると思います。楽器を学ぶことは、単に演奏することにとどまらず、沢山のことを知らず知らずに学ぶことになるのですね。

試験を通して、生徒さんそれぞれの課題が見えました。春休みの間に、個々の作戦を練っています。上手く演奏させるのがわたしの仕事です。弾けなければ楽しくなんてありませんよね。4月から、それぞれの作戦を実行に移そうとわくわくしています。わたしも日々勉強です。

震災

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東北関東大震災から10日が過ぎました。 被災された皆様に、心から、お見舞い申し上げます。

関東では、だんだんと落ち着いてきましたが、まだまだ地震があったり、停電があったりの毎日です。どうぞ皆様、気をつけてお過ごしください。

私の家では、明日からまた、日に1〜2回の停電が始まると思います。信号機が付かなかったり、月明かりしかなくなることもあるので、いらっしゃる時に不安がある時は遠慮なくお休みくださいね。

震災と原発の故障の影響で、勤めている幼稚園では卒園式が中止になりました。きっと、同じような環境の幼稚園や学校がたくさんあると思います。でも、卒園や卒業、進級がおめでたいことに変わりはありません。それぞれに、区切りの春を楽しんでくださいね。

わたしは、節電と節約を心がける、見直しの春を過ごしたいと思います。