この夏はオーストリアとパリを旅行してきました。
まず、羽田からパリへ行きました。着くなりスーツケースが壊れ、青くなりました。
翌日は朝から地下鉄に乗って街へ行き、セーヌ川を船に乗って移動し、観光することにしました。地下鉄を降りて地上に出ると、ノートルダム寺院の前でした。火災で傷ついている姿は、前に見た時とは違いましたが、相変わらず堂々と立っており、わたしは簡単には無くなりませんよ、と言っているように見えました。
シテ島のポン・ヌフから船に乗り、パリの風景をみました。小一時間で有名な観光地の多くを見られてお得感があり、楽しかったです。前回も乗ったのですが、二度目だったので、前回見逃した所もしっかり探して見つけることができました。
その後、また地下鉄に乗って、オペラ座へ行きました。内部をガイドさんと回れるツアーでした。ツアーまで時間があったので、オペラ座のすぐ近くにある、ギャラリーラファイエットというデパートへ行ってみました。このデパートは、天井がドームになっていて美しいことで有名なようです。ここで、壊れてしまったスーツケースを買い直すことにしました。ちょうどセールをやっていて、選ぶのはとても楽しかったです。いくつか候補を選び、地下のサンドウィッチ屋さんで昼食をとり、オペラ座へ戻りました。
オペラ座のツアーを申し込んでいます、と伝えると、パスポートを預かります、と言われて、またまた青くなりました。それもわたしのだけですから、不安になります。しかも、とても気やすく布製のずた袋に無造作にポンと入れるので、大丈夫なのだろうか、と感じました。
オペラ座の中はとにかく豪華です。シャルル ガルニエさんが設計したので、オペラ ガルニエと呼ばれます。オペラ座の怪人の舞台になったそうです。外の装飾、正面玄関、大階段、劇場内、広間、バルコニー、、、どこもかしこも豪華ですが、オケピットやオケピットに行くための階段は、質素でした。見えないところにはお金をかけないのはどこでも一緒ね、と思いました。図書館もありました。きっと代々受け継がれる書き込みとか、注意書きが残っているのでしょうね。8月は公演はお休みだそうです。いつか、オペラをここで観たいものです。
その後、ギャラリーラファイエットに戻り、結局セール品ではないスーツケースを買い、また地下鉄へ。地下鉄では、乗りたかった路線が工事中で動いていなくて、帰れるのだろうか、と青くなりましたが、無事に帰ることができました。
翌日は、ブレゲンツへの移動です。飛行機でチューリッヒへ行き、そこからは鉄道でオーストリアへ向かいました。チューリッヒで、スイスといえばチョコレートだ!とチョコレートを買ってから電車に乗りました。美しい景色を見ながら3時間くらい。電車の中に、自転車置き場があり驚きました。近くに座っていた、可愛い三姉弟に笑わせてもらいました。最後は仲良くなって、一緒に遊びました。子どもはどこの国の子供でもかわいいですね。
3時頃ブレゲンツに到着しました。日差しが強くて暑い!!カフェがたくさんあったので、お昼ご飯として、主人はサラダを、わたしはビールとリゾットを食べました。ビールもサラダも美味しいけど、リゾットは何じゃこりゃ!しょっぱい!!五日分くらいの塩分を一気に取った感じでした。血圧も上がったと思います。
その後、夜、観劇予定のボーデン湖での古城オペラの会場へ行ってみました。そこで、ドイツに住んでいる友人と再会し、ひとしきり再会を喜びあってから、会場付近を散策しました。路上に本屋さんが出店していたり、家族で歌を歌っていたり、公園で遊んでいたり、あちこちに吊るされているハンモックで昼寝をしていたり、皆さん自由にバカンスを楽しんでいて、私たちも解放された気持ちになりました。
夕食を済ませ、21時開演のオペラへ向かいます。21時と言ってもまだ夕方です。だんだん寒くなる、と聞いていたので、ウルトラダウンジャケットと、フリースのひざ掛けと、靴下を持って席へ。主人が1列目を取ってくれたので、何も遮るもののない、最高の景色で楽しむことができました。
演目はリゴレットです。事前にパヴァロッティ主演のものを観てストーリーなどを勉強していったので、あまりの演出の違いに驚きました。同じ音楽、歌詞で、こうなるんだね、ヴェルディさんも驚くだろうね、など感じながら、楽しみました。湖に飛び込んだり、空間が無限なので空や星も舞台の一部になっていたり、、、ここでしか観られないオペラでした。
歌もオーケストラの演奏も素晴らしくて、あっという間の二時間半でした。
翌日はザルツブルクへ移動です。三人で電車に乗って、4時間ほど。オーストリアの美しい自然の中を走るので、気持ちが良かったです。
ザルツブルクに到着して、まずは駅前のレストランで昼食です。ここで食べたニョッキもしょっぱい。オーストリアの方たちは、塩分をとり過ぎなのではないでしょうか。血圧や血管の状態は大丈夫なのでしょうか?
夜は、モーツァルテウムのコンサートホールで室内楽の演奏を聴きました。
ルノー カプソンというヴァイオリニストを中心としたコンサートでした。身体を柔軟に使っていて、柔らかく力強い音色で、フォーレとブラームスのソナタとエルンストのクインテットを聴きました。
終演後、ザルツァッハ川沿の素敵なカフェで余韻を楽しみました。そこで、モーツァルテウム管弦楽団でヴァイオリンを弾いていらっしゃったという日本人の女性と、チェロを弾いていらっしゃったというドイツ人の方々に出会いました。主人のカメラが珍しかったようで、それはどこ製ですか、と声をかけてくださいました。面白いご縁です。
翌日は、午前中にオールモーツァルトのプログラムのオーケストラの演奏を聴きました。生き生きとして、まるでオペラを観ているような演奏でした。音の飛び方が元気というか、生きていて、ワクワクしました。ただ美しく綺麗な音で、ではなく、生きている音楽です。嬉しかったな。
午後からは、ザルツブルクの観光です。
まずはお腹が空いたので、お昼ご飯です。わたしはシュニッツェルというカツレツのようなものと、エーデルワイスというビールを。友人は、豚肉を美味しいソースで煮込んだものを頼んで、分けてくれました。どちらも美味しかったです。
この後、スマホが突然使えなくなり、またまた青くなりました。
写真は撮れないけど、観光は楽しもうと思い、気を取り直してまずはモーツァルトの生家に行きました。黄色のお家で、割と賑やかな通りにあります。部屋が多く、質素なお宅でした。
ザルツブルクは、町全体がこじんまりとしていて、観光客がいなければ、とても静かで落ち着いた町なのだと思います。石畳に馬車の音、教会の鐘の音、鳥の声、そこに生活音がある環境。ここでモーツァルトは生まれて育ったのだな。ピアノを弾いたり、ヴァイオリンを弾いたり、お姉さんやお父さんと歌ったり、遊んだりしたのだな、と想像しました。
他に、カラヤンが生まれたお家や、ヘンデルの弟さんのお墓のある教会や、コンサートホールなどを観光し、最後にトラムという乗り物(電気で走るバス。パンタグラフから電気をもらって走っているようです)で郊外を含めて町を一周しました。のんびりとした、田舎の風景を楽しみました。
再びザルツァッハ川に戻り、軽く夕食をとり、その後、ザッハトルテを食べました。本場のザッハトルテ、美味しかったです!
この日で、友人とはお別れ。一緒に過ごすことができて、本当に嬉しかったです。何でも正直に話せる数少ないお友だちの一人で、わたしの人生には欠かせない大切な人です。また、会える時を楽しみに、頑張って働こうと思いました。
翌日は、またパリに向けて出発です。まず、ウィーンへ行き、そこからパリに飛行機で移動です。ザルツブルク空港はとても小さく、ウィーンへ行く飛行機もとても小さいので、タラップを登って乗り込む、という面白い経験ができました。
パリに着いたら、主人の荷物が届かない!ロストバゲージというらしく、珍しくないことのようですが、わたしはまたまた青くなりました。えー、どうするの???でも、主人は落ち着いていて、ホテルに届けてくれるってさ、とか言っています。大丈夫なの?と思いましたが、その晩遅くに無事に届きました。
泊まったホテルの近くに、素敵なモールがあり、その日はそこでフランス田舎料理を食べました。元々はワインの倉庫だった場所にあり、倉庫が改装されてレストランになっています。線路の名残りがあったり、かと思えば、誰でも弾けるストリートピアノがあったりと、新旧混ざった素敵な場所です。
翌日は、オランジェリー美術館とドラクロワ美術館に行きました。途中、雷雨があり、何度か足止めされながらも、芸術を堪能しました。オランジェリーには、モネの睡蓮があります。実物はとても横長で大きく、一日の時間帯によって光の具合が変わり、それによって目に映る色も変わることを、まるで実際のお庭にいるように感じることができました。展示室の天井からは、自然の光が入ってくるようになっていて、その光によっても絵の見え方が変わるようです。何度も通ったら、毎回違う色に見えるのかもしれません。
その日のメインイベントはもう一つあり、それをとても楽しみにしていました。
それは、リヨン駅にある、老舗レストラン、ル トラン ブルーへ行くことでした。実際に行ってみると、立派すぎて、そういう場所に慣れないわたしは気後れしてしまいました。豪華な内装、洗練された従業員の方々、一流の食事、、、人生の中でもそうそう入ることのないレストランでした。
その後、サンジェルマンデプレ教会へ行き、7世紀に造られたというマリア像や、ステンドグラス、パイプオルガンなどを見学しました。
夕食は、前回の旅行でも行ったカフェ マゴに行ってみました。注文に手こずり、担当のウェイターさんに呆れ顔をされてしまいましたが、しっかり美味しくデザートまでいただきました。ヨーロッパのワインはどこで飲んでもハズレがなく、とても美味しいです。二日酔いも、悪酔いもしません。夜もぐっすり眠れるし、感動です。
翌日は、オルセー美術館へ行きました。ミュージアムパスを持っていましたが、それでも長い長い列に並びました。空港なみの荷物検査があり、やっと中に入ると、彫刻や名画が惜しげも無く展示されていて、写真も撮り放題!日本では考えられないことです。展示されている数が膨大なので、全てをみたとは思えませんが、写真やテレビなどで見るのとは全く違う迫力を感じることができました。昼食をはさんでたっぷり4時間程滞在しました。昼食は、館内にある、レストランに行きました。ここもとても美しい内装で、美味しい食事とワインがいただけました。
素晴らしい芸術が身近にあり、見たい時にいつでも鑑賞できるパリの人たちは、心が豊かになるんだろうな、と思います。日本でも、あちらこちらに立派な美術館があるので、もっと行こう、と思いました。本物を見ることは大事だと感じました。
その後は、最後にパリをバスで回ろう、ということになり、二階建てのバスに乗理ました。
オペラ座、ルーブル美術館、エッフェル塔、凱旋門、など、主要な観光地を2時間弱でまわれるバスです。日本語のガイドを聞きながらまわれるので、とても楽しいです。
夜は、オペラ座近くのカフェに入ってみました。庶民的なカフェで、ウェイターさんはチャラいお兄さんでしたが、味は素晴らしく、ワインも美味しく、旅の最後を楽しみました。チャラいお兄さんは、アジア人が珍しかったのでしょうか?何かとわたしたちにちょっかいを出して、からかわれましたが、どこか憎めないバカっぷりだったので、最後には一緒に写真を撮ってもらって帰ってきました。どこの国にも、お調子者はいるものですね。
帰国する日は、ホテルの近くの公園を散策しました。パリの端っこ12区にあるホテルだったので、自然が残っていて、最後の最後までリフレッシュすることができました。
この旅行のおかげで、また頑張れそうな気持ちを取り戻すことができました。
青くなることも多々ありましたが、異国でしか経験できないことを経験できて良かったな、と思います。
わたしの希望を聞き、全ての手配をしてくれた主人に本当に感謝です。いつもありがとう。