夏の勉強会&発表会

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今年の発表会も無事に終了いたしました。協力してくださった皆々様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

今年の発表会では、合奏という新しい試みをしました。上手に弾ける生徒さんが増えてきたので、小学生以下の皆さんで合奏団を作ってみよう、と思い立ち企画しました。事前に三回集まって練習をし、本番では立派に演奏ができました。チェロの古谷田先生が参加してくださったおかげで、思ったよりもずっと豪華な仕上がりとなり、お客様からの評判もとても良くて、とても嬉しいことでした。ありがとうございました。

ソロだけではなく、アンサンブルを経験しておくことは、上達の過程で非常に有効です。音感も育ちますし、弦楽器特有の響きを体で感じ、気持ちが良いと覚えることは、ソロでの演奏にも役立ちます。

また、将来プロにならなくても、アマチュアのオーケストラや高校や大学のオーケストラに入ったり、仲間でアンサンブルを楽しめることにつながるので、とても良いことだと思います。

その合奏の練習日に、東京都練馬区で弦楽器工房を経営していらっしゃる村川さんに、わざわざこの栄区まで来ていただき、楽器についての勉強会を行いました。楽器のパーツごとに詳しくお話してくださり、生徒さんたちの質問に丁寧に答えてくださった後、弦の張り替え方を一人ずつ教えてくださいました。みんな、興味津々、真剣にお話を聞き、実物を触り、弦を張り替えていました。良い経験ができました。私の所に通ってくださっている生徒さんたちは、多かれ少なかれ村川さんには、お世話になっております。親切で、優しく、どんな楽器に対しても誠実に対応してくださる、信用のできる職人さんです。いつもありがとうございます。

生徒さんたちは、発表会を経験したことで、それぞれにモチベーションが上がり、翌日からレッスンに来て、また次の目標に向かって頑張っています。発表会後に新しく入ってくださった生徒さんも、来年の会に向けてスタートしました。やる気満々の生徒さんと保護者の皆様のエネルギーをいただいて、私は頑張れています。ありがたいことです。

日々の積み重ねが自分を創ります。一緒に頑張りましょう!!

ヴィオラ

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昨年度から、勤めている音楽教室で弦楽合奏を担当することになりました。それまでは、個人レッスンのみの担当だったので、合奏指導は初心者です。一緒にクラスを受け持つ先生方にいろいろなことを学んでいます。でも、生徒さんにとってはわたしも他の先生と同じ、合奏の先生、なので、いろいろなことを質問されるし、頼られます。時には指揮もしなければなりません。

アンサンブルは、自分が弾くのと教えるのとでは、感覚が全く違うことを感じながら関わっています。音で伝えられないことを教えるためには、なるべくあいまいな表現ではなく、伝わる言葉で感覚を表さなければなりません。それを考えるおかげで、今まで何となく弾いてきたアンサンブルを、分析するようになりました。

音程やリズムの感覚を他の人と合わせて、みんなでひとつの曲を弾くことは、とても楽しいことです。たくさん経験することが、アンサンブルの能力を高める一番の方法なのではないでしょうか。

弦楽合奏を担当するようになって、もうひとつ新しい仕事が増えました。それは、ヴィオラパートを担当することです。学生時代に持ち替えで、オーケストラで弾いて以来、ほとんど自分で弾くことはなかったのですが、ここへきてその必要が出てきたのです。ずっと、楽器は大学のものをお借りして弾いていましたが、大学の楽器はわたしには大きすぎて、体にかかる負担が大きく、辛いので、思い切って、購入することにしました。せっかく買うのだから、作ってもらおう!と思いつき、江古田の駅前で工房を開いている、村川拓人さんとおっしゃる職人さんに作っていただき、11月27日に完成し、手元にやってきました。

この楽器は、教室のクリスマスコンサートでデビューする予定なので、テレマンのドン キホーテのブルレスカと、ハイドンのハレルヤコーラスを練習しています。

これから、300年生き続ける楽器の、最初の持ち主になりました。なんて楽しい、素敵なことでしょうか!植木さんの作ったヴァイオリンを最初の持ち主として使わせていただいて15年。村川さんのヴィオラも健やかに育てたいと、ワクワクしています。

梅雨明け

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IMG_0476一昨日(7/9)梅雨が明けて、本当の夏になりました!

朝起きて外を見ると、青い空にのびのびとした緑の木々が目に飛び込んできます。うわ〜今日も暑いな、と確信して一日が始まります。

この季節は楽器にとっても辛い季節です。

ケースを閉めっぱなしにしてしまうと、中が熱くなってしまいます。弾いても弾かなくても、ケースを開けて、楽器の健康チェックをしましょう。

練習する時は、室内の湿度はもちろんですが、手や首などから出る汗をよく拭き取って、楽器に余分な湿度を残さないようにしましょう。今年はエアコンの使用を控え気味にしている方が多いと思うので、特に気をつけたいことですね。

人にも楽器にも過酷な季節です。労りながら、乗り切りましょう!

ヴァイオリンの基礎 (い)

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ヴァイオリン基礎い_2楽器を上手に構えるのと同じくらい大切なのは、弓の持ち方です。

ただ、弓の持ち方を文字で書くのはとても難しく、伝わりにくいと思います。

それぞれ、手の条件(形や指の長さなど)が違うので、教える時は、相手によって、使う言葉も方法も違ってきます。

共通して伝えることは、無駄な力を抜くことです。親指に力が入りすぎていると、疲れますし、音もよくありません。弦に弓の重さを乗せる以上の力は最初は必要ありません。力強い音を出す必要が生じたときに、弓に圧力をかけることは必要ですが、常に弓を握りしめていることはありません。

弦と弓が十字に交わり、楽器にちょうど良く弓をのせることが、良い音の条件です。

弓を上手に扱うことはとても難しいので、長い時間をかけて体にしみ込むまで繰り返し繰り返し、ひとつの音を弾いて練習します。ただの腕の運動としてとらえるのではなく、耳をつかって、自分の出している音をよく聴くことが大切です。自分も聴く人も心地の良い音を探しましょう。

左の写真の生徒さんは、初めからふんわりと弓を持つことのできる方でした。手首も柔らかくて、とてもよいボウイングです。もう少し時間が経ったら、小指を弓の上に乗せて、指を使ったボウイングができるようにしていく予定です。

ヴァイオリンの基礎 (あ)

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ヴァイオリン基礎あせっかくブログを始めたので、ヴァイオリンを弾く時に大事なことや、指導する時にわたしが気をつけていることを書いてみたいと思います。

ヴァイオリンは立って演奏する楽器です。オーケストラや、室内楽を演奏する時は座って弾きますが、ソロで演奏する時は立って弾きます。ですから、レッスンを始めるときは、足の置き方から覚えてもらいます。

重心がねじれていたり、ふらふらしていると、楽器をうまく構えることが出来ません。楽器にしがみつくような姿勢になってしまいます。

ヴァイオリンは上半身だけを使って弾いているように思われることがあるのですが、実は全身を使っています。地面から生えているかのようにどっしりと立ち、足の上に腰、腰の上に胸、胸の上に首、その上に頭が乗るように真っ直ぐに立ちます。

その姿勢から、楽器を左肩を少し前に出し、楽器を乗せます。それから首を左に向けて、楽器の上に乗せます。この時、首が前に出ないように気をつけましょう。

肩とあごではさむのではなく、下半身から順に積み上げてきた体の上に楽器を乗せるイメージを持つことが大切です。

肩当てや、あご当ての形や角度は、個人個人の体に合っていないといけません。体の成長に合わせてよく観察して、不都合がでてきたら修正していきます。

ヴァイオリンを弾く時は、どっしり立てていないと、踏ん張れません。テレビで若い綺麗な女の子がピンヒールの靴をはいて、ひらひらしたミニスカートを履いて、パンツが見えないか気にしながら内股で、しかもカメラ目線で演奏しているのを見かけますが、あれを習い始めに真似してはいけません。あれは、あくまでも商業目的のフォームであって、実用的ではないからです。

勉強中は、基本に忠実に、少々がに股気味でも気にせずに、集中して弾きましょう。真剣に取り組む姿は、作られた美しさに勝ります。

楽器の親子?

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ヴァイオリン親子ヴァイオリンは体の成長に合わせて、どんどん大きな楽器に変わっていきます。

写真の右側はフルサイズ、一番大きな楽器です。左側は、1/10です。

何が1/10かといいますと、本体の容積が、フルサイズの1/10です。

使わなくなった分数楽器を、壁に掛けたり専用のガラスケースに入れて、飾る方もいらっしゃいます。とても素敵なインテリアになりますね。でも、楽器は弾いてもらうのが一番です。誰かに譲ったり、貸したりして、本領発揮してほしいな、と思います。