3月

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DSC_06523月、早くも後半です。この間クリスマスだったのになあ、、、なんて思ってしまいます。

3月といえば年度末。卒業や新学年にむけての準備が始まります。

勤めている幼稚園、音楽教室でも、この一年間の集大成となる行事がありました。幼稚園では音楽会が、音楽教室内ではコンサートと銘打った試験がありました。

幼稚園の音楽会は、それぞれのクラスが、一年間の成長の成果を歌や合奏や劇などで発表します。年長のふたつのクラスが、ヴァイオリンの発表もしました。一年間だけのお付き合いの園児たちの最後の姿だと思うと、毎回、ホッとしつつも寂しい気がします。こちらは、とにかくみんなで楽しく一緒に演奏できれば良いので気持ちが楽なのですが、音楽教室の試験の方はそうはいきません!

試験は、それぞれの努力の結果が見事に表れます。(良くも悪くも、、、)

単なる発表会ではなく試験なので、競争もあり、尋常ではない緊張感の中で演奏をすることになります。小さい子どもにそんなことが必要なのだろうか?とお考えになる方もいらっしゃいます。確かに楽しく楽しく、どんな演奏をしようがおかまいなしで、拍手をもらってお花をもらって、、、という発表会も良いと思います。でも少し厳しい環境の中で、自分の外面も内面もさらけ出さなくてはいけない環境から得られる自信は、人生の財産になると思います。ただし、逆に、挫折感を味わう体験になってしまうこともあるため、教える側はそんなことにならないように必死になります。生徒さんはそれぞれ違う人間なので、マニュアルはありませんし、予測不可能な事態が起こります。順調に進んできたのに、ある時に変なクセを突然つけてきたり、暗譜が出来なくて負のスパイラルに入ったり、、、。ど〜したの〜!?と叫びたくなるようなことがあるのです。それを微調整しながら、やる気を失わない程度に叱咤激励して。。。先生恐いって思ってるだろうな、と思いながら。。。

いつも本番を聴きながら思うのです。今の演奏は2〜3ヶ月前の実力だな、と。昨日出来たから、今日の試験でも出来るわけではないのです。頭で理解して体にしみ込むまでには、時間がかかるのです。つまり、直前のお尻に火がついてからの練習ではなく、なんでもない毎日のコツコツ努力が大事なのです。地道にしてきたボウイングの練習、音階、練習曲、それらが集大成して本番に演奏できるのですね。

でも、どんな演奏であれ、終わった後は健闘を称えます。大勢の人の前で演奏できたことが、まずはそれだけで素晴らしいことなのですから!

音楽を勉強して、人の前に立って自分のことを発表する体験をしてきた人にとって、消しゴムで何度でも消して書き直せる試験はなんと有り難いことか!!中学や高校、大学の受験に挑もうとしている生徒さんたちには、きっと、この緊張の体験が生かされると思います。楽器を学ぶことは、単に演奏することにとどまらず、沢山のことを知らず知らずに学ぶことになるのですね。

試験を通して、生徒さんそれぞれの課題が見えました。春休みの間に、個々の作戦を練っています。上手く演奏させるのがわたしの仕事です。弾けなければ楽しくなんてありませんよね。4月から、それぞれの作戦を実行に移そうとわくわくしています。わたしも日々勉強です。