音階!音階!音階!

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Blackmagic Cinema Camera_1_2013-06-30_1211_C0000_000024ヴァイオリンを上手に弾きたいのなら、欠かしてはいけない練習のひとつに音階があります。

わたしは小さいとき、音階の練習が大嫌いでした。よく半分寝ながら弾いて、母に怒られました。あの頃は音階の重要性を全く理解していなかったので、もったいない時間の使い方をしてしまっていました。

でも、学生を終わって、社会に出て、年々、音階の大切さを感じるようになりました。現在も日々必要を実感し、必ず練習しています。

音階は文字通り、音の階段です。上って下りるだけのとてもシンプルな音の並びなのに、正しく弾くのは難しい。音と音の距離を目と耳で測りながら、ゆっくりと慎重に、まずはゆっくりと。ゆっくりできたら、音価を半分にしてスラーをつけて。さらに音価を半分にして。時にはスタッカートやマルテラートで弾いたり、符点のリズムで弾いたり、練習の方法はたくさんあります。普通の音階ができたら、アルペジオや重音でのスケールも練習します。

音階は全ての音楽の基本です。例えば、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴いてみてください。ほとんど音階とアルペジオで出来ています。

ある寄せ集めのオーケストラのエキストラをした時のことですが、練習が始まる前に、席について楽器を用意していると、そこここで音階が聴こえてきました。この音階が上手いのです。パラパラ〜といとも簡単に弾いているのですが、正確で美しい!用意もそこそこにじーっと見てしまいました。そのオーケストラは、N饗や日本を代表するソリストが、年に一度、第九を弾くために集まってくるというもので、わたしなんかが本当ならば混じってはいけないような方々が勢揃いしていました。そんな大御所たちでも、音階を練習することが新鮮で、感動し、もちろん第九も感動でしたが、それ以上に強烈な印象で残っています。

音階を弾くことは、ビキニで町中を歩くくらいの恥ずかしさで、自分の実力をさらけ出すことになります。手を抜けないワケです。音階を人の前で弾くことはあまりありませんが、音階の精度を上げておくことは、音楽全てに通じるということですから、地道に続けなければいけないですね。見方を変えれば、練習すれば必ず正確に弾けるようになるのが音階ですから、練習しない手はありません。頑張りましょう。