聴く一週間

標準

IMG_2003最近、いろいろな演奏を聴く機会に恵まれています。どんな環境での演奏からも影響を受けるものなのだな、とあらためて感じています。

先週は、3つの良い体験をすることができました。

まず11 日に、クラシック音楽コンクールの本選の高校生と大学生の演奏を聴きに行きました。さすがは若い!!!パワフルな演奏ばかりでした。気持ちも強くて、どの人も全力で音楽と向き合っていることが伝わってきました。でも、本音を言えば、みんな力で弾きすぎている気がしました。上半身だけで力任せに演奏するスタイルが今の主流なのでしょうか?!少し将来が不安です。肩こりや首こりくらいで済めば良いですが、腱鞘炎や腰痛や生理痛などの大きな病気につながっていきそうな気配がします。小さい時から、重心を下げて弾くように指導したいな、と思いました。

12日の昼間、栄区のスポーツセンターの地下にある、さんぽみちという喫茶店で毎週水曜日に栄ソリスティで活躍されていらっしゃる、伊藤さんのピアノの演奏を聴かせていただきました。ショパンのノクターンを5曲。伊藤さんの演奏はいつ聴いても大好きです。人生を長く歩んでこられたからこその、深くて愛情に満ちた優しい音色と、ショパンに対する想いとお話で、とても幸せな気持ちになりました。

13日の夜は、母校武蔵野音楽大学のベートーヴェンホールで、イリヤ イーティンのリサイタルを聴きました。モスクワ音楽院出身のピアニストで、武蔵野音楽大学でも後進の指導をしていらっしゃる方です。バッハやメシアンの作品もとてもステキでしたが、ベートーヴェンのピアノソナタ32番op.110にとても感動しました。ベートーヴェンの後期のソナタは、音が多くて、なんとなくぐちゃぐちゃした印象が残りやすくて苦手だったのですが、この演奏を聴いていたら、とてもすっきりと音の対話が見えてきたのです。複雑だけど、整然とした音楽を聴かせていただいて、初めて後期のソナタの素晴らしさに触れられた気がしました。

後期試験と発表会が終わって、気持ちが解放されていた時に、新しい刺激を受けて、リフレッシュできた一週間でした。