コンクールは規模の大きいものから小さいものまで沢山あります。コンクールに挑戦する目的は人それぞれです。実績を積むため、腕試しをするため、場数を踏むため、、、。みんな自分の成長のために頑張ります。それなりに費用もかかりますし、準備に費やす時間、プレッシャー、緊張感はどれも自分との戦いです。
昨日、相模原南市民ホールで行われた日本クラシック音楽コンクールの地区予選のヴァイオリン部門、高校生、大学生以、一般の部を聴いてきました。
一昨年前から、生徒が挑戦したのをきっかけに、若輩者ながら審査員をさせていただいており、沢山の演奏を聴くことで多くの学びと刺激を与えられています。昨日も33名の、汗と苦労の塊のような演奏を聴かせていただきました。
本番で持っている力を100%出すことはとても難しいことです。緊張感の中でどれだけ発揮できるかは、それまでに費やしてきた練習時間と自分を信じる気持ちにかかっていて、舞台に立った時の状態はその時になってみないとわからないものです。初めてのホール、初めてのピアノの音、客席には審査員、こんな状況に身をおくわけですから、その日に向けて、どれだけの努力が必要かは想像に難くないと思います。
聴きながら、その演奏の良いところと改善したらどうか?というところをコメント用紙に書き込むのですが、これがなかなか難しい!努力の結晶の演奏だとわかるので、ケチをつけるようなことはしたくないのです。だから、なるべくトゲのない言葉で、自分の感じたことを伝えようと思うのですが、結局、ズバッと表現することになってしまったり、良いところが見つからなかったり。でも、一生懸命書きましたよ!伝わっていると良いのですが。
ヴァイオリンという楽器は、本当に難しい楽器だと思います。なかなか思うように扱えない楽器だと思います。正しい姿勢、バランス感覚、そして音感やリズム感といったソルフェージュ能力などがうまく融合して初めて良い音、心地よい音楽が生まれるのです。さらに、強い意志と忍耐力、そして、これが一番大事かもしれませんが、努力できること。考えると気が遠くなりそうですが、そんなことがみんな必要なのです。
哀しいかな誰もが一流の演奏家になれるわけではないですが、ヴァイオリンを通して培った、精神力や経験は人生の中で必ず生かされると思います。
教える仕事も、努力と忍耐です。自分が努力を怠ると、生徒がうまくなりません。わたしも生徒たちに負けずに、自分と戦いながら、成長していかねば!と気持ちを引き締めた一日でした。