おめでとう

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DSC_0764新学期が始まりました。

先週は、勤めている幼稚園の入園式、音楽教室の修了式と始業式がありました。

音楽教室は高校3年生が最高学年なので、大学生になった生徒さんたちは修了ということになります。

今回は、6年間、一緒に音楽をしてきた生徒さんが修了しました。

彼女はけっして目立つ人ではありません。そして、目立ちたがりの人でもありません。でも、とても存在感のある人です。

6年の間には、いろいろなことがありました。時には涙を流すこともあったし、スランプに陥ることもありました。その度にそこから逃げずに、ちゃんと向き合って克服しました。彼女は音楽の専門家になる道は選びませんでしたが、ヴァイオリンが大好きなのでこれからも続けるそうです。10代の大半の時間、毎週関わらせていただいた生徒さんが音楽を純粋に愛する人になってくれて、こんなに嬉しいことはありません。

彼女は、中学、高校と弦楽合奏クラブに所属して、部長として後輩をひっぱっていましたし、教室の弦楽合奏でも、もともと持っている、アンサンブルできる能力を発揮していました。個人レッスンだけではなくて、いろいろな経験を通して成長したのだと思います。

アンサンブルの能力というのは、とても貴重な才能です。ソロでいくら上手でも、アンサンブルが苦手な人もいます。

アンサンブルは、人間関係と同じだと思います。大勢の中で自分の役割を察知して和を保つこと、これは、案外難しいことです。特に若い頃は、自分の存在を無意識に強く主張してしまったり、逆に、なるべく目立たないようにと引っ込んでしまったりするものです。ありのままの自分ではいけない、と思いながらも良い方法がわからなくなってしまうのです。音の世界でも、同じことが起こります。他人と一緒に音楽を創ることで、調和することを学んでいくのです。

彼女は、もともと自分を張る性格ではなく、他人を素直に認めることができる人でした。音楽も同じで、時にはもっと強く表現してほしいなと思いますが、アンサンブルをする時には貴重な存在になりました。これから大学を出て、社会に出ていく時に、この才能は宝になるでしょう。誰からも愛されて、誰をも愛する人のまま、幸せな人生を歩んでほしいと願っています。

修了おめでとう!そして、ありがとう!